starry☆sky de 零式パロディ〜不知火一樹の場合〜










「で、弓?」
「弓〜!」

俺は目の前でニコニコと笑う姫を見ながらため息。姫はそんなことお構いなしに、一樹似合う〜と目をキラキラさせている。その対象が自分なのは嬉しいが、この格好に向けられているのは少々複雑だ。
この格好、所謂弓道の時に使う弓と矢。後はマントのついた…制服?

「お前なぁ、弓道は誉だろ?」
「いや、誉ちゃんは何でも出来るの。ものまね士だから」
「さっきから言ってるそれはなんだ」

姫にこの格好をさせられた時から、『そこですね』って一樹が…一樹が、と笑いながら言われて気になっていたのだが、格好から見てコスプレのなにかなのだろうか。

「ぁ、うん。一樹はね、4キロ先まで敵を射抜けるのね?」

ここは日本で、敵を射抜かなければならない状況はまずない。それにお前、4キロってどんなもんかわかってんのか?軽くマラソン大会だぞ!?

「遠距離のスペシャリストなのよ一樹は。もう精神統一でキルサイト無しでも火力ごり押しでいけちゃうくらいに!でもね、近接には弱いから魔法装備しなきゃなんだけど、竜とかはもう直線に貫通されるからね、爽快よMAXチャージとか!」
「楽しいか?」
「すっごく!幸せすぎて…」

うっとりと姫に見つめられると、なんだかその気になってくるから不思議だ。まぁ、変な着ぐるみでなく見目的には悪くはないし、姫がここまで喜んでいるのなら乗ってやるのも悪い気はしなくなっていた。

「決め台詞とかないのか?いってやるよ」
「っ、ほんとに!?え、何言って貰おう…」

あれがいいかな、これがいいかなと思案する姫。候補的には、敬語キャラなのか?ですます調な台詞が聞こえてくる。

「じゃ、じゃあね…これっ!これ言って!」

決まったのか紙にさらさらと文字を書いていく。姫からそれを受け取って内容を見て絶句。いや、これは…

「これで、いいのか?」
「お願いします!」

姫にグッと近付かれて拒否という選択を無くされる。でもこれって…いや、姫に頼まれたしな…

「よし、いくぞ」

俺は息を吸い、多分二度と言わないであろうその言葉を口にした。




『、しくじりました…っ』







(なんだ、この台詞は)
(一樹が瀕死になったときの台詞)
(っ、お前!)
(だって!走るの遅いしガキャン失敗してよく死ぬんだもん!)
(ちょっと貸せそのゲームっ!!)

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公式の扱いはなかなか似てます、二人とも。

20120217




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