君に欲情する ver羊







ギシ…っと軋むベッドの上に姫と二人。少しだけ不安そうにする瞳に映る自分の姿。
良かった…瞳は外されてない。

「いつも恥ずかしがってばかりだけど…今日は逃がさないから」

なんて、強気に出てみたけど、これで思いっきり視線を外されたら傷付くなぁって考えていたら、姫はぎゅっと僕に抱き付いてきた。
僕を掴むその手は僅かに震えていて、いつもみたいに安心しきっているわけじゃないんだなって、そっと姫の手に自分の手を重ねる。
少しでも姫の不安を除いてあげたい。だって、今からする事は決して怖いことじゃないから。
近付きたくて触れたくて、愛し合いたい延長のその行為。怖いなんて感情を織り混ぜて組み敷くのは違うって僕は思うから。

「怖い?大丈夫…僕を信じて?」

ゆるりと顔をあげた姫に向かって微笑みかければ、少しだけ笑い返してくれた。『好きだよ…』と囁いた言葉は、瞼に触れた唇をついてそっと静寂に響く。


「君に最高の時間をプレゼントするよ」


シーツに埋もれていく僕らに宿り始める僅かな熱源。






君に欲情する ver羊

---------------------------

20120707




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -