旦那様とエイプリルフール〜東月錫也〜

*東月錫也の場合*




「ご馳走さまでした」

錫也の作ってくれた昼食を頂いて、美味しかったよと告げれば、御粗末様でした、と笑顔で返してくれた。

「本当に錫也のご飯は美味しくて大好き!」
「そういって貰えると作り甲斐があるよ」

錫也は空になった食器を運びながら、嬉しそうにしている。平日は私もご飯を作るけど、錫也には敵わない。学生時代に錫也のご飯に惹かれて錫也自身を好きになったと言っても過言でないくらいに、私は錫也のご飯が大好きだった。

「ぁ…過ぎた。」

私が出逢った頃を懐古していると、錫也はぽつりと呟いた。

「…なにが?」
「12時、今日エイプリルフールだろ?」
「っあぁぁ!!」

すっかり忘れていた、確か数日前まではどうやって錫也を驚かそうか考えていたのに…
エイプリルフールに嘘をついて良いのは12時まで。私がしょんぼりしていると、洗い物を終えた錫也が私の隣に来た。

「そんなに俺に嘘つきたかった?」
「ち…ちがっ!びっくりさせたかったの…」

そう伝えれば、錫也は私を抱きしめて耳元でこう囁いた。






(良かった…お前に嘘つかれるなんて、冗談でも嫌だから…)

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く…黒い…ww
錫也に嘘はついちゃダメです…っ!




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