旦那様とエイプリルフール〜天羽翼〜
*天羽翼の場合*
「俺、もう実験しない」
朝、夜遅くまで徹夜していた翼くんに朝御飯を作っていたら、翼くんはそんな事を言い出した。
「え…ど、どうしたの急に」 「もう発明なんてどうでもいいのだ」
冷たくそう言い放つ翼くん。学生の頃から、ご飯を食べるのも忘れて打ち込んだ発明なのに…。
「どうでもいいなんて言わないで…っ!」
気付いたら私は声を荒げていた。
「翼くんが一生懸命打ち込んできたことを、どうでもいいなんて言って欲しくないよ。私、翼くんの発明が大好きなのに…そんな、」
溢れ出す感情は留まりを知らなくて…夢中で話していたら、ふいに翼くんに抱きしめられた。
「、ごめん!キミがそんなに本気にするとは思わなくて…全部嘘なのだ〜…ごめんちゃい」 「え…えぇっ?!」
驚く私にぎゅっと抱きつきながら、翼くんは言葉を続けた。
「今日はエイプリルフールだろ?だからキミをびっくりさせたかっただけなんだ…」 「そう…だったの、良かった…」
発明は止めないんだ、それが分かって安堵のため息を漏らす。すると、それを見ていた翼くんは私にこういった。
(不謹慎だけど、キミの気持ちが聞けて幸せだぬーん!)
-------------------------- もう、翼くんのばかばかっ!と怒ってあげてください…笑
|