旦那様とエイプリルフール〜土萌羊〜
*土萌羊の場合*
「ただいま」
玄関から大好きな声が聴こえる。パタパタと赴けば、羊くんが扉を閉めたところだった。
「おかえりなさい、羊くん」 「起きてたの?遅くなっちゃったから寝ちゃったかと思ったよ」
おいで、と言いながら羊くんは私を抱きしめてくれた。少しだけ外の匂いを感じて、それから羊くんの優しさが溢れ出してくる。
「そうだ、明日はお休み取れそうなんだ…だから、キミは僕と一緒に過ごしてくれる?」 「ごめんね、明日は遊びにいくの…」
そう答えれば羊くんは一瞬凄く傷ついた顔をしてから、だったら仕方ないよね…楽しんできて、と笑いかけてくれた。その表情に胸が締め付けられる。
「ご、ごめんなさい!嘘なの…」 「え?」 「今日ね…エイプリルフールだから、羊くんに嘘ついたの」
我ながら下手な嘘だと思う。でも、羊くんを嫌いだなんて嘘でも絶対に言いたくないし、ない頭からこんな嘘しか出てこなかった。
「そっか…良かった、じゃあ明日はキミと一緒に過ごせるんだね」 「怒らないの?」
羊くんの事傷つけたのに… すると羊くんは私に優しくキスをしてこう囁いた。
(お仕置きはベッドで、ね?)
-------------------- 結婚しても紳士です…きっとベッドでも紳士です…笑
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