それ、誘ってる?
「…何してるんだ?」 「ぁ、一樹さん」
寝室に入ると、シーツを腕いっぱいに伸ばした姫の姿。おまけに脚も背伸びしていて 、見るからにいっぱいいっぱいな感じ。
「お昼に掛け布団のシーツを洗濯したんですが…」 「大きすぎて広げられないんだな」 「…仰る通りです」
寝るときに姫を離したくないから、と言って大きめのベッドを買った日の事を思い出す。どうせ一緒に眠るのだからベッドは一つで良いし、あまり広すぎたら逃げる口実にされるな…と思いつつも、夜の営み用としては横幅があった方が何かと便利だよな…と、一人葛藤したのは記憶に新しい。
「あの、一樹さん?」 「ん…あぁ、悪い。よし、俺も手伝ってやるよ」 「え…っ」 「ほら、そっちの端持て。姫がシーツ換えてたんじゃ、いつまで経っても寝られそうにないからな」 「ん…それ酷くないですか?」
むぅ…っと頬を膨らませながら、シーツの端を持ってカバーを掛けていく姫。俺もそれに習いながらカバーを掛けて、最後にファスナーを姫が閉めて…
「一樹さん、残りのファスナーを…んっ」
半分までファスナーを閉めたときに触れ合う唇。何するんですか!って口元を押さえながら顔を紅くする姫。
「何って…お前にキス」 「そうじゃなくて!そういう雰囲気じゃなかったです!今っ!」 「姫のむくれた顔が可愛くてつい。それより…」
残っていたファスナーを閉め切って、掛け布団ごと姫をベッドに押し倒すと、びっくりしたようにこちらを見つめられた。
「雰囲気があれば、いいんだな?」 「そういう意味じゃ…っ」 「もう遅い」
再び触れ合った唇。 咄嗟に逃げようとする姫を制して、それ用…と称したベッドで今夜も彼女の身体に身を沈める。
それ、誘ってる?
(拗ねた顔するなよ) (笑顔も好きだが、その顔も最高に可愛い)
----------------------------------- 夫婦3つ目。 エロ…くはないけど、どうしてこうなった(二回目)
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