溶けるような魔法







「……っ、シンっ」

小さな声で制するように声を掛けたけど、首に顔を埋めたシンは動きを止めずに、何…?と返してきた。
その声の振動に、身体がピクリと反応する。
身体中がぱぁっと赤くなるのを感じて、私はぎゅっと目を閉じた。

「……、もう抵抗する気なくした?」
「抵抗する気は、あるけど…」

首元から顔をあげたシンの気配にゆっくり目を開くと、彼は意地悪な笑みを従えてそこにいた。
いつも見上げるのは私なのに、今日はちょっと変わった趣向をシンが希望して、お店の控え室にあるコピー機に私を座らせた。恥ずかしがる私を他所にシンは、ひどく機嫌よく私に愛撫を施してきた。

「わ、ワカさんがきちゃうから…っ」
「大丈夫だろ、今日店微妙に客入ってるしフロアから動かないって」

制服はもうすっかりはだけてしまっていて、辛うじて着衣はしている感じだけど、人が来たら何をしていたかすぐに分かってしまいそうな格好だった。
シンは首筋の愛撫に満足したのか、制服から覗く素肌にそっと指を這わせる。

「逃げんな、大丈夫だから」

そう私に囁きながら行為を進めるシンに、ただくらくらする。
止めなきゃいけないのに、シンの掌とか舌先が与えてくれる愛撫に酔いしれて制圧されてしまいそうな自分。

「……っシン!」

一際強くなった愛撫に、私は完全に堕ちた。






溶けるような魔法

(貴方の瞳に見つめられたら)
(拒否するなんてできないの)

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書きながらシンは多分こんな無謀なことしないなと思いました。

20120930






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