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「お前、なんでそれ…」
「え?知り合いに星月学園出身の人がいるの。その人から色んな事聞いてて…」

月子だろうか…それとも東月、いや宮地かもしれない。そんな考えがぐるぐると頭を回る。同じ大学なのだから、知り合う可能性は十分ある。

「私さ、星月学園入学したかったんだ…星のスペシャリストって言われてるくらいだからさ」
「受験、落ちたのか?」

姫が受かっていれば、星月学園の女子は二人だったのかもしれない。そう考えていたが、姫は首を横に振った。

「ううん、私の次の年から女子生徒の入学も認められたんだぁ…」
「そうだったのか…ってお前いくつだ?」

今更だが、俺は姫の正しい年齢を知らなかった。春に越してきたからてっきり大学1年生かと思ったが、先程の話を聞くとつじつまがあわない。

「え…今年で二十歳だよ?今大学の2回生」
「マジかよ…」
「一樹こそいくつなの?私勝手に4回の就活中かと思ってたんだけど」
「俺も2回だ。年は21だけどな…一回留年してるから」

そういえば、姫も俺の年齢を聞いてこなかったから教えてなかった。案の定驚きの表情。

「同じ学年だったんだ…びっくり」

姫は自分を納得させるように頷く。俺も姫の年齢にはびっくりしたが、他に聞きたいことがある。お互いの年齢を知ったところで、次の質問をした。

「なぁ、星月学園の知り合いって…夜久月子か?」

聞いてどうするのだろう。もう俺が守らなくても、あいつの傍に居てくれる東月がいるのに。
だけど、姫と月子が知り合い、と言うのはなぜか嫌だった。本当に自分勝手な考えだが。

「夜久さん?有名な子だけど、お話したことはないなぁ」

どうして?と聞く姫に、俺は心の奥で深く安堵した。






20120327
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