募る後悔の念
星月先生が帰ってこなくて良かった。何もかもが終わって、意識を無くした姫が隣にに横たわるベッドで、俺はただただ後悔の念を募らせていた。
初めて理性が吹っ飛んで、自分勝手な欲で姫を抱いた。何度も何度も求めて、気絶させる程に… これじゃ強姦と変わらない…そんな情事だった。
「ねぇ、本当に何があったの?」
そのまま教室に戻るわけにも行かず、目を開けた姫を連れて寮に戻る途中、案の定姫に尋ねられた。
「なんでもな…」 「一樹は何もなくてもあんなことするの?」 「………」
姫に詰め寄られて何も言い返せなくなる。話してしまって良いのだろうか。お前を壊そうとしてるやつがいるんだって?そんなこと言えるわけがない。姫を不安にさせるだけだし、話して姫が怯えるのは見たくない。
「何にもなくないだろ〜?熱のせいだ」 「なにそれあり得ない!」 「なんだぁ?なんならもう一度証明してやろうか?」 「っば、ばかっ!」
顔を真っ赤にした姫。そうだ、これで良いんだ。姫は何も知らなくていい。傷付かないように、壊れないように、何をしてでも俺が守るから。
(だから心配しないで その顔をされたら 僕は息すら出来なくなる)
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20120405
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