夢の続きをくれたのは、あなただけだったよ
うとうと… うとうと… 微睡みの中、うっすらと視界に映るのは貴方の優しい微笑み。一樹の少し骨張った男らしい手が私の髪を優しく撫でてくれて、その感触が気持ちよくて眠気に拍車を掛けてきて。
「…ねぇ」
幸せだよ。すごくすごく。 こんなに幸せでいいのかなって少し不安に感じてしまう位に。大好きと幸せが胸に溢れて、その溢れた想いが惜しいとすら思うの。もっともっと貴方でいっぱいになってしまいたい…そう願う私は傲慢かな?
「どうした?」
寝られないか?って聞いてくれる声は、少しだけ掠れていて…あぁ一樹も眠たいんだねって気付かされる。いつも私の方が先に寝ちゃうから、その後一樹がどんな顔してるのかなとか考えたことなかった。それってなんか惜しいことしてるみたいで少しだけ悔しい。 けれど、それを訴えられる程私の意識はしっかりしてなくて…だから代わりに首を振って、
「なんでもないよ」
と呟く事にした。そしたら、変なやつって一樹が笑うから、私はまた大好きが沢山沢山溢れてきて。開くことを続けられない瞼に込めた力を抜いて閉じれば、唇に触れるだけのキス。
「おやすみ、また明日な」
繋いだ手を握り返して、私はゆっくりと微睡みの中へ意識を沈めた。
夢の続きをくれたのは、あなただけだったよ
(夢から醒めても幸せを感じるなんて) (貴方無しじゃ知り得なかった)
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20120413
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