なんて不毛な、それでも恋







「ねぇ…っ、だめ…梓くんっ」
「何がだめなんです?あぁ、恥ずかしいですか?大丈夫です、恥ずかしがってる舞花先輩も可愛いですよ」

愛とか恋とか、そういうのはよくわからなかった。だから試しに、恋愛映画なんかによくありそうな事をしてみたい、そう思って舞花先輩を保健室のベッドに押し倒してみた。
そうしたら、興味本意だった心がドクンと波打って、気が付いたら舞花先輩の首筋に顔を埋めている僕がそこにいた。

「なんで…」
「こんな事をするのかって?すいません、正直僕にも分からないんです。でも、先輩にこうしたいと思う気持ちは嘘じゃありません」

出来そうな事はやってみる、それが常日頃の僕だった。勿論やってみて出来ない事なんてほぼ無くて、そうして飽きて執着することも辞めてしまうのだけど。
けれど、今回は違うのかもしれない。だってこんなに身体が求めてる。
身体を重ねて愛を確かめるなんて不毛だと思ってた。確かに不毛だと思う、愛に関しては。

「抱いてもいいですか?舞花先輩の事、僕にもっと教えてください」

答えなんて無くてよかった。もう留まる術を僕は知らないから。






なんて不毛な、それでも恋

(やってみなきゃわかりませんよ)
(不毛かどうかはそれから決めましょう)

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20120410




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