ほんとは好きでしたなんて、そんな今更
「ねぇ、ほんとにおかしくない?」
「大丈夫だっていってんだろ」
さっきからずっとこの繰り返し。
舞花の頭にはリボンがちょこんと巻かれていて、その角度をずっと気にしていた。
『今日ね、告白するんだ』
そう告げられた上でのこの立場は正直辛すぎるわけで。
目の前でリボンをヒラヒラさせる舞花は正直凄くかわいいし、本当ならば他のやつには渡したくない。
「…なんだってこんな…」
「一樹、じゃあそろそろいくね」
「…はいはい、行ってこい行ってこい」
手を振りながら追い出すふり素振り。
もう何処へでも行ってしまえ。
舞花の告白を断るやつなど居ないのだから。
そう思っていたら、バッと手を掴まれて真剣な目で迫られた。
「一樹が好きだよ」
「お前やること回りくどすぎ」
とか言いながら、掴まれた手を引いて自分の腕に閉じ込めてしまう俺も、相当回りくどい弱虫。
ほんとは好きでしたなんて、そんな今更
(回りくどいことした分)
(これからは直球でいくからな)
--------------------------------
20120930