「恋をしてる」と笑顔で言う君、僕には残酷だったよ







カラン カラン…
グラスに入れた氷が、ストローでかき混ぜる度に音をたてる。無音の中にその音がやけに響いたけれど、不思議と不快には感じなかった。
自室で先程のやりとりを思い出してため息。もっと違う話題なら、こんなに惨めな思いでグラスをかき混ぜることもなかったのに。

てっきり舞花から告白されるんだ、そう思って向かった屋上で、まさかの恋愛相談を受けた。そんな展開を全く予想していなかったから、僕は君が好きだなんていうタイミングを逃してしまって、これからも相談させてもらうね!なんて結末を迎えてしまった。

「君のことじゃなければ…僕はもっと上手くやるのにな」

大きな氷が崩れて、より一層部屋に音を響かせた。







「恋をしてる」と笑顔で言う君、僕には残酷だったよ

(氷のように想いが溶けて)
(崩れ去ったらどんなにいいか)

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20120828




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