触れた手のひら、離れる瞬間が別れと知っていたけれど







子供の頃は当たり前のように手を繋いだのに、年を重ねるとそれが恥ずかしくなるのは何故だろう。
子供の時みたいに、純粋な気持ちで触れられないから?
欲が勝るから?
きっとどちらも正解で、だから俺は舞花の手に触れるのをこんなに躊躇う。





「なに考えてるの?」

見透かしたような舞花の声。
なんでもないと言えば、そっか…といって俺の手に指を絡めてくる。あぁ、また今日もこの指に堕ちるんだ。

「お前は妙に指を絡めたがるよな」
「ん、いやだ?」
「いや、そういうわけじゃないんだが…」

一呼吸置いて躊躇えば、変なの、と笑われた。あぁ、この笑顔…好きだな、頭の片隅でそう思う俺。絡めた手をゆっくり解いて、俺は舞花の身体に指を這わせた。





触れた手のひら、離れる瞬間が別れだと知っていたけど

(こうして一つになっている間は)
(そんな事忘れたくなるな)

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あまりに短すぎて伝わらない。
セフレだったりします。

20120425




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