この恋を捨てさせないで







「哉太…寝ちゃった?」

この前まで、あんなに綺麗に咲いていた桜はもうなくて。変わりに美しく緑付いた葉を繁らせた木の下で、日向ぼっこと称して哉太とお昼寝。校舎では授業が繰り広げられているんだろうなぁと思いながら視線を哉太に移すと、背を向けたまま眠ってしまった彼の背中が僅かに揺れ動くのが見てとれた。


『辞めとけよ、俺なんて。いつ居なくなるかわかんねぇんだぞ』


好きだよって言ったら、とんでもない振られ方をした。振られたことより、哉太が自分をそんな風に追い詰めていたことに泣いた。
振ったのに私をこうして傍に置いてくれる理由も分かってる。だから、






この恋を捨てさせないで

(ねぇ…やっぱり好きだよ)
(さよならなんて出来ないよ)

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20120424




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