未来予報詐欺にご注意ください







「今年こそ卒業しなさいよ、ね?」

「解ってるって……去年だって、成績とかじ ゃないんだからな?普通に俺は頭良いんだよ 」

「嘘つけ……三年生二回やってるくせに私が 解けた問題解けなかったじゃない」

「……まぐれだ、まぐれ」

なんて憎まれ口叩くのも、寂しさの裏返し 。本当は、もう一年くらい留年して私と同じ学年になったらいいのに。なんて。いつまでたっても素直じゃなくて、生意気で。いつ愛想つかされるかっていつも考えているくせに。

「……なんで二歳違いなんだろ」

「……ん?何か言ったか?」

「なんでも」

たった二歳なのに、学年っていう壁がある限り私は一樹に近づけない。いつまでも対等関係になれない、ジレンマ。

「一樹はそーゆーとこ鈍感なの。解る?」

「っていきなり言われてもなぁ……要するに 、俺が居なきゃ寂しい、って事か?」

ニヤリと笑って、図星を突いてくるからこの人は嫌だ。これが図星だって事もきっとこの人は知っているんだ。

「あーもう!留年しなさいっ!留年!それで 私と一緒に卒業するの!解る?」

「ははっ……今年こそ卒業しろって言ってた くせに何言ってんだか」

あれはただの照れ隠し、なんて言ったらまた一樹に笑われてしまうだろう。私はふい、と横を向いた。 それでも一樹に笑われてしまったら、私は一体どうすればいい?

「心配すんな、学園からは離れても姫から離れる訳じゃない。姫が望めばいつで も来てやるさ」

「本当?……毎日、でも?」

「ああ。お前朝弱いから起こしに来てやろう か?」

「やめてよ、恥ずかしい」

からかわれてる。一樹はクスクス笑って余裕ぶって。何が起こしに来てやろうか、だ!一樹だってそんなに強くないくせに。

「あー……でも、もう一年留学するのも悪か ないかもな」

「……馬鹿、ちゃんと卒業しなさい。それか ら毎日メールするからちゃんと返してよね。 一週間に一回長電話、一ヶ月に一回は会いに 来て」

「はいはい、お望みなら全部叶えてやるよ」

「それから……」

最期は言うのが躊躇われる。だってこれを言ったらもしかしてもしかしなくても正しく解釈してしまって……

「……俺には姫の思ってる通りの未来が 見えてるんだけどな?」

「!!……は、はぁ!?」

「冗談。……やっぱり図星だったか。心配し なくても、姫が望めば叶えてやる」

どうする?とばかりにこちらに視線をよこ す。……どこまでも横暴で、馬鹿野郎で、くそったれな会長め!

「……お願い、します」

結局はその誘惑に負けてしまうのです。あ あ……

未来予知詐欺にご注意下さい

こんなの詐欺じゃない!

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相互記念に過去形のMati様から頂きました。
勝ち気なヒロイン可愛い…っ!
俺様な一樹さんにドキドキさせられちゃいますよね!
サイトの方にも素敵な小説が沢山あるので、気になった方は是非ブクマよりどうぞっ!

20120401




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