だって、とか、でも、とか、そんなこと言ってる場合じゃないって気づいたんだ。俺らは俺らの道徳に従って、俺らの敵ってやつを打ち倒してかなきゃいけないんだって。そう気づいたんだよ。社会的と反社会的を天秤にかけたらそりゃ斬り捨てるべきなのは反社会的なほうだろ?俺らの力はその反社会的を打ち倒す力だ。これは俺らにしか確立し得ない輝かしい力なんだから、見えない誰かのためにだってふるっていかないと。俺らは※※だ。悪はいつだってその逆の※※に消される運命にある。俺たち※※はその運命に従って悪を打ち倒していくんだ。これは自称なんかじゃない。もし100人に俺たちのやってることを知られたとしたら、きっと100人とも俺らのこと※※って呼ぶよ。自分で言うのもなんだけど、社会的な悪に対立する俺らはやっぱ世間からしたら※※ってことになると思うんだよな。自然にこうなってた、って言ったらちょっと綺麗事すぎる感じするから言わねーけど、やらなきゃいけないことやってたらこうなってたっていうのは本当の話だ。俺らはこれからも、もし続くっていうなら一生でも、悪と敵対して成敗していかなくちゃいけないと思う。だって※※ってそういうもんじゃん。どんな内容のゲームでも、やっぱそういうもんじゃん。


「本当にこれでよかったのか」

ついさっき悪を倒した。やっぱりひとを裁くなんてこと、まだちっぽけな高校生風情の俺らがやるのは辛い。でも俺らは※※だから、他のやつらが嫌がることも進んでやらないと。大変なんだよ※※って。この苦しみも一生背負ってかなきゃならない。この先寝ててもメシ食ってても風呂入っててもしばらくは絶対この光景が頭をよぎるだろう。でもそれにも耐えなくちゃいけない。それが俺たちの背負う罪だ。※※が負うべき罪だ。

「なあ、本当にこれで」

いいのか、と、相棒は訴え続けている。お前さ、今更何言ったって関係ねえって、お前自身もわかってんだろ。あいつテレビの中に落ちたんだぜ?きっともうすぐシャドウに食われるよ。後味は悪いかもしんねーけど、結果的にさ、俺らは※※の真髄の一個に行き着いたんだ。これが俺らの※※なんだよ。

「でも」

こんなことしたって、と、そこで言葉を切ってあいつは白い床に膝をついた。なぜだかあいつの言いたいことは、その断片だけでもすぐ理解できた。こんなことしたってあの子は帰ってこない。今頃あの子は夜空へ向かう列車の中で寂しさと空腹に泣いている。もう一緒に赤い林檎を食べることは二度とできない。それでも彼女の元へ向かう勇気もない俺たちは、その日が来るまで待合室で何もできなかった自分を責めるんだ。相棒の嗚咽がバカみたいに真っ白な病室を悲哀の色で塗り固めていくのがとにかく息苦しかった。なんで俺たちこんなとこにいるんだろうな。もうよくわかんねーわ。
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