すっかり辺りは夕焼けになって、車内のほとんどの奴らがはしゃぎ疲れたのか身を寄せあって眠っていた。ユースケは窓の外を眺めながら絵を描いていて、マコトは静かに運転をしている。リーダーは何をするでもなくぼうっとしているみたいだった。前歴持ちっていうレッテルの剥がれていない地元にこれから帰るっていうんだから、思うところもそれはたくさんあるだろう。でもコイツならきっと大丈夫だという確信がワガハイにはある。世界を奪い取った男がこれくらいのことで曲がっちまうわけはないし、何せワガハイだって一緒にいるのだ。もしコイツが間違っても正してやれる。
「サービスエリアに入るわね」
マコトの一言でリュージとアン殿が起きて、リュージが大きく伸びをしながら今何時?と呟いた。アン殿は可愛らしくあくびをしながらお菓子買おうよと言っている。フタバとハルも起きだして、さっきまでの静かさが嘘みたいに車内はすっかり騒がしくなった。リーダーは楽しそうに微笑んでいる。
「騒がしい連中だぜ。なあリーダー?」
言ったら、リーダーはゆっくりとワガハイのほうに振り返った。ちょうど後ろの窓の外に夕日があるからその顔を見るのが眩しい。橙色に染まった頬が緩んで、目が細められた。男のくせにずいぶん長い睫毛が小さく揺れている。ワガハイのほうが眩しいに決まってるのに、どうしてそんなに眩しそうに笑ってるんだ?
「モルガナ」
ありがとう、と言ってリーダーは笑った。何がだよと訊いても答えなかった。眉を下げて、泣き出しそうな顔をしている。
「なあお前ら、何か買わねえの?」
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