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 色気ないけどおぴんく注意!




 例えば性格の折り合いが悪いからといって体の相性が悪いわけではないということが立証されてしまった。どうしてこんな関係になったのかわたしは覚えていないが、今もまた彼のあれがわたしに入ろうとする瞬間なのである。
「抵抗しなくなったな」
「したところで無駄ということを知っているからだ」
「ふ、理由はそれだけではなさそうだが」
「いいから早く終わらせろ……」
 ぶちゅん、と音がして、わたしと彼がひとつになる。ゆっくりじゃないと痛い、とはもう言えなかった。彼の好きなように抜き差しされてもわたしはそれをだらしない喘ぎでもって受け入れる。腹立たしいことに自分でも彼のそれはわたしのあれにしっくり馴染むのだ。彼しか知らない体だから、他を受け入れたらまた話は変わるかもしれないが。そうであってほしい。
「…………」
 は、は、と犬のような息をする。さりげなく右手の親指の付け根を噛んで、声を出さないように努める。わたしは仰向けの体勢で顔を右に向け、そちらの景色ばかり見ていた。だから彼がどんな顔をしているのか知らない。ふと痛みに気付けば噛んでいた自身の手に深い歯形がある。瞬間ふわりと体が浮き、向かい合って座らされた。同時に彼を根本まで受け入れることになり、背を弓なりに反らしてしまったのを腰を浮かして誤魔化す。
「はは、声を押さえようとしていたのだろう? 我が気付かないとでも思っていたのか、笑止だな」
 びくびく震えているわたしの、右手を取り赤く腫れた歯形を見て彼は笑った。そうしてべろりとそこを舐める。
「あっ、やめ、やめろっ……」
「お前はやめろと言いながら無理矢理されるのが好きだろう」
「なっ、……あ、あう」
「お前のそういうところは嫌いではないぞ? 騎士王よ」
「お前に好かれても、嬉しくなあっ……」
 親指から舌を這わせて人差し指の先を吸われ、わたしは体に弱い電流を流された心地になった。普段よりいくらかわたしは敏感になっている。
「ひ、い……」
「こんなに噛みついてやっては、お前の手も可哀想だ」
 わたしは下からずんずん突かれて、言葉がうまく発せない。気持ちいいのだ。わかっているのだ。彼のわたしを抉る肉の塊は。
「あっ、あ……」
 彼の陰茎がわたしの中で震えていた。なんとなく奥がじわりと温かいもので満たされる感触。出すものを出して満足したのだろうかと思ったが、彼のそれはまだ固く、さっきと変わらずにわたしの中を広げ続けている。なんということだとわたしは嫌な汗が流れるのを感じた。
「あ、やだ、う」
 粘度の高い液体が、わたしの中から流れ出ないようにするつもりなのか押し戻すように彼は、奥を何度もぐずぐずと突く。ぶぽ、じゅぽ、と醜い音がわたしの秘部から漏れた。隙間から彼の精液がとろとろと溢れ出す感触がする。
「や、あ、はや、はやく、抜いて……」
「孕むことはないのだぞ、中だろうと外だろうと変わりはない」
「でも、だめです……」
 ぐちゅ、じゅ、じゅぽ、と耳障りな音。は、止まない。
「だっ……」
 彼がわたしの逃げる腰を掴んで奥深くまで穿ち、射精する。わたしの中が彼の精液まみれだと思うと、なんだかなあと思う。
「あ、あ……」
 わたしは痙攣するのをどうすることもできず、ただぼんやりと彼の胸にもたれた。温かい。体温は気持ちいい。
「ん、あ」
 ゆっくりと腰が持ち上げられ、彼がわたしからずるりと抜ける。彼はわたしを寝台に横たえさせた。わたしは動くのが億劫で、不本意ながらもされるがままである。しかし。
「な、にを……」
 寝台に身を預けるわたしの、足の間に指を差し込んで彼は、さっきの精液をわたしの中に擦り付けるように動かすのである。
「お前は我のものだ。セイバー、お前のここには我しか受け入れるな」
「いや、だ」
 くっちくっちと音を立てながらわたしの膣に彼の精液が塗り込まれる。わたしは顔をしかめながら、そっぽを向いた。彼の中指がかりかりと内壁を掻く快さ。
「い、……加減、やめ」
「セイバー」
 なんとなく泣き出しそうな声にわたしは思わず彼の方を向く。指を止めないまま、彼はわたしの目を見ると、空いた手でわたしの目を塞ぎ、口付けてきた。その瞬間の彼の顔には珍しく、余裕が窺えなかった。

…………………………………
 Pray boy




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