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 「はい、ストップ」

 俺は神楽の肩を掴んだ。

 「………う」

 神楽をじっと見上げる兎がいる。
 逃げたりせず、ただこちらを見ている。
 なんでこんなとこに兎がいるの。

 「……連れて帰っちゃ駄目アルか」

 振り向いて神楽は言う。
 神楽の言わんとしていることはわかっている。

 「どーせ、途中で飽きちゃうでしょ」

 育てるの。

 俺は言いながら掴んだ肩をそのまま引き寄せて神楽と兎との距離を開かせていく。そんなことないアル、神楽が叫んで反論しても駄目の一点張りで譲らなかった。

 「わたし兎欲しかったアル!それにかわいそうヨ、野良なんて」

 「野良は野良で楽しかったりするの」

 「兄ちゃんのわからずや!」

 後ろをちらりと見ると兎はただ開く距離に関わらずやはりじっとこちらを見ている。どんどん小さくなっていったが、俺が最終的に角を曲がったので兎は見えなくなった。

 「お前さ、生きモン飼う以前の問題なの、わかんない?」

 「……………」

 「一人で夜中トイレ行けないとかさ、まずそういうの直さないとね。自分のことがちゃんとできないと」

 「……ちゃんと出来るもん!」

 神楽は突然俺の腕を振り払うと走っていった。角を曲がり、兎のいるところへ。

 「神楽!」

 神楽のいるところへ行くと、兎を抱き上げた神楽が仁王立ちでこちらを見ていた。

 「……連れて帰るもん」

 はああ。ため息。こうなったら神楽は動かないだろう。

 「……わかったよ」

 俺は腕を組んで神楽に問う。

 「………名前は決めたの?」

 俺の問いに神楽はみるみる破顔した。








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 さだはる

 兎との出会いの妄想です^q^



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