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 (阿+威)




 一仕事終えて血塗れのまんま書類を書き終え、少し一服しようと思い廊下に出る。するとなんかべちゃべちゃ音するなあと思ったので音のする方向を覗いてみたら団長が吐いていた。

 「団長ォ、どうした」
 「んー、ちょっとね」

 顔を上げると案外けろっとした様子の団長に少し安堵、何か悪ィもんでも食ったのか、訊いてみるとわりかしそうかもと曖昧な返答。団長はどこか部屋に向かいながら話す。

 「一口で駄目だった酸っぱいんだもん」
 「へえ」
 「落ちてたやつだからかなあ」
 「何かの果物か?」
 「んーん、肉」

 (肉?)

 拾い食いはするもんじゃないね、と団長は笑った。あ、こいつまさか

 (そんな大層な趣味をお持ちだったとはなア)

 仕事の帰り際にでも食ってみたのだろうと予測する。さぞかし不味いだろう、生肉なんざ食えたもんじゃねえ。ましてや火を通してねえのは真っ平御免だ。得体のしれないのなら尚更。

 ある部屋の前で立ち止まり、団長がふと思い出したように言う。

 「そういえば神楽、今どうしてる?」
 「ああ、この部屋で大人しく寝てたぞ」
 「そっか、サンキュ」

 そう言って団長は部屋に入ってゆく。妹がねえ、可愛くて仕方ないよ。そんなことをぼやきながら扉を閉めた奴の背中に、何故か悪寒がした。

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 カニバリズム的な



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