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 訊くと気持ちいいと答えられる。
 ふうん、そのまま力を弱めず淡々と肩を叩いた。

 「何でわたしが肩叩きしなきゃいけないネ」

 「俺が凝ってるから」

 「うざい」

 とか言いつつも言いなりになっている自分が悔しい。無意識に兄に嫌われるようなことはしたくないと思っているらしかった。

 「次ー。揉んでー」

 めんどくさい作業きたー。
 やれやれとひっそり嘆息しつつ兄の肩に触れる。

 「あ」

 揉もうとすると兄が突然声を出した。

 「何ネ」

 「……手、そのまま」

 「揉まなくていいアルか」

 「ん」

 肩に置いたわたしの手の上に、兄が手を重ねる。

 「手、気持ちい…」

 「?」

 眉をひそめるわたしを振り向いて兄は笑った。

 「神楽は覚えてないだろうけどさ、やっぱ神楽、お前は母さん似だよ」

 へえ、と素直に驚く。兄もそんなこと言うんだとも思った。

 「かむ、………っ!?」

 名を呼ぼうとすると振り向いていた神威が緩く腰に抱きついてきている。

 「……………」

 神威は無言で顔を腹に押し付ける。くすぐったくて離れろヨと言うと無理、の言葉と共にぎゅうと力が強まった。

 「神楽」

 腹に顔を埋めたまま神威は呟いた。

 「…お前はさ、兄ちゃんを置いてかないよね」

 「…は?」

 「ひとりにさせないでね…」

 何これ。これがわたしの兄なのか。
 兄にしては珍しいと言っちゃ生ぬるい気がする。別人のような感じがした。

 「キモいアル」

 「いーよ、キモくて」

 その瞬間ふと、留守がちな父と床に臥せっていた母に代わって兄はずっと自分の面倒を見てくれてきたことを思う。わたしには兄という甘えることのできる対象があったけれどこの兄には、母にすら甘えることができなかったのだろう。無意識に今この兄は、わたしを甘えの対象にしているのだろうか。なんとなく今はそれで構わない気がした。





 「……ありがと」

 「ん?」

 兄が不思議そうに顔を上げる。わたしは何でもないアルと言いながら、今だけは兄を甘えさせてやろうと思った。



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 母性芽生えたぐらたん(^ω^)
 どうゆうこっちゃ\(^o^)/




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