毛にブラシをかけると、ごっそりと冬の毛が抜けた。気持ちよさげに黒い犬は目を閉じ、青年に身を任せる。日課のように毛をすくことで、彼女の毛並みはいつも美しい。
「他に触らせちゃ駄目ですよ」
幼稚な独占欲が顔を出す。
「綺麗な毛は誰だって触りたくなるものよ」
それは困ると、青年は手を止めた。



『君の傍』
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