一息ついて、手袋を外す。白い腕には傷跡があり、幾重も筋を作っている。無意識に傷跡に指を這わす。痛みはない。背中に残る傷以外、もう傷の経緯を遡ることはできない。
名前を呼ばれた。手袋をつけ直し、顔面のスクリーンに笑顔を表示する。本当に笑っている。仮面の下の臆病で、無様な自分を。



『照れ隠しの仕草』
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