母を待てず、スーパーを出た。リードに繋がれたポチは僕を見て尻尾を振る。胴回りのもっちりしたちくわも揺れる。先程、練り物売場で試食した竹輪とポチは何が違うのだろう。ふらふらと僕は鮮魚店に足を向ける。「親戚?」と問いかけても、鯵もポチも答えない。
遠くで母の僕を呼ぶ声だけが響いた。


『迷子のお知らせ』
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