天悪紙様企画提出!

赤也+幸村(+レギュラー)



今日は珍しく寝坊しなかったし、授業も真面目に受けた。練習も今日は真田副部長に鉄槌をくらう事もなかったし、わかめ頭とも言われなかった。
最後に、幸村部長から一緒に帰らないかと誘われた。


揺れる2人乗りブランコ


「真田副部長はいいんスか?」
「今日は赤也と帰りたくてね」
「はぁ…」

夕日も落ちてきた時間帯に幸村部長は俺の少し前を歩く。え、俺なんかしたかな。すげぇ不安。だって今まで一回もこんなことなかったのに。

「赤也、今から時間ある?」
「まぁありますけど…」
「公園寄ろうか」
「こうえ……、え!?」
「いいじゃん」

まぁ嫌だなんて俺にそんな選択肢はないけど。

「わー貸し切りだね」
「どうしたんスか、今日」
「なんで?」
「いや、ちょっといつもの幸村部長じゃないような」
「……ブランコに乗ろうか」
「いやいやいや、俺と言葉のキャッチボールしてください」

いいからいいから なんて言いながら鞄やラケットバックを取られてブランコまで背中を押される。もう成すがままに幸村部長のいうブランコに座れば後ろから幸村部長が足をかけてきた。ちょ、まさか。まじで?

「二人乗りするんスか!?」
「うん」
「まっ、ちょ…っ」
「ほら、掴まってないと落ちるよ?」

いや、漕ぐなら言ってくださいよ!
相当年代物なのか、ブランコがキィキィと音を鳴らしながらスピードをあげていく。時々幸村部長が膝を曲げてブランコの高さはかなり高い。出来るだけ下を見ないように目を瞑っていれば、幸村部長が俺の名前を呼ぶ。

「赤也赤也、前見て」
「前?」

おそるおそる目を開けば綺麗に反射する丸い丸い夕日が見えた。

「すげぇ…!」
「この時間帯になるとここからすごく綺麗に見えるんだ」

ブランコが前に行くたび、夕日が近付いて掴めそうな気がする。やばい、普通に感動もんだ。

「赤也」
「なんスか?」

「誕生日おめでとう」


え。


「25日、赤也の誕生日でしょ?」
「え、そう…ス、けど」

ブランコのスピードがさらにあがり、風の音が幸村部長の声を妨げる。
でも、確かに聞こえた。

「誕生日…知ってたんスか?」
「当たり前でしょ」
「……っ」

まさか、まさかまさか。
珍しく今日幸村部長が一緒に帰ろうと言ってきたり、公園に寄ろうと言ってきたり、青春みたいにブランコで二人乗りしていたのは。
これの、ため?

「幸村ぶちょ…っ」
「まだだよ赤也」
「え…?」
「真田!!」

いつも落ち着いている印象を受ける幸村部長が声を張り上げて、いるはずのない副部長の名前を叫ぶ。

「赤也あああああ!」

公園の周りにある茂みから真田副部長がいきなり出てきて、柳先輩や柳生先輩、仁王先輩や丸井先輩にジャッカル先輩。立海のレギュラー全員が、出てきて。

「誕生日、祝福する!!」
「ぷりっ」
「誕生日おめでとう」
「誕生日おめでとうごさいます」
「プレゼントは俺のお手製のケーキだぜぃ」
「おめでとう赤也」

なんて、頭に葉っぱつけながら。

「貴様ら!なぜ打ち合わせ通りにせんのだ!」

馬鹿みたいに大きな声で言うから。

「幸村部長……」
「ん?」
「俺、すっげぇ幸せモンかもしんないっス…っ」
「………当たり前でしょ」

俺も馬鹿みたいに、ブランコに揺れながら大声で泣いてしまった。



お誕生おめでとう、赤也!




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