他校の生徒+立海
※他校の生徒視線です。名もない学校でいいです
俺は今立海大付属中学校の校門前にいる。全国大会優勝校である立海大付属のテニス部。なんの縁だか来週そのテニス部と練習試合する羽目になった。何考えてんだうちの顧問は。馬鹿か。だが優勝校と対戦出来るのはいい機会だ。それならば少しくらい相手の戦略を知れれば得かもしれない、と思い偵察として俺はここに来た。
「テニスコートは…」
ご丁寧にテニスコートへの道を校内地図に書かれている。ラッキーなんて思いながら道順に歩けば聞き慣れた音。打ち合いをしている音だ。
「ちょっとブン太、しっかりやってよ」
「いやいやいや幸村くんも人の事言えないだろぃ!」
揉めているだろう会話。テニスコートを見れば肩にジャージをかけた青年、いやあれは部長の幸村だ。相手はガムをクチャクチャとならす丸井。まさか先にこんな有名な選手に会えるとは。ごくり、と思わず唾をのむ。
「えー何言ってんのブン太。俺ちょー真面目にやってんだけど」
「もうなんか根本的におかしいだろぃ!まずなんでバドミントンのラケット持ってんの!?」
「だって軽いし」
「さっきまでラケット持ってたくせに!なめてんの?丸井様なめてんの!?」
「なめてるけど何か?」
「仁王うううう。もう幸村くんとラリーすんの嫌なんだけど!」
なに言っとるんじゃ、とダルそうに歩いてくるのは仁王だ。
「なんかブン太がラリー始めてくれないんだけど」
「ちゃんとやりんしゃいブンちゃん。幸村だって練習にならないじゃろ」
「いやだって幸村くんが持ってんのバドミントンのラケット…って仁王もかよ!!」
「は?なに。ブンちゃんまさかテニスラケット?」
「まさかこれ流行ってんの?それが普通なの?なんなの?」
「テニスラケットとかブン太だっさ」
「幸村、さすがにほんまの事は可哀想ぜよ」
えっなに立海大付属の人達ってバドミントンのラケットでテニス練習してんの?おいおいまじでか。だからあんなに桁違いな力をだせるのか。なるほど!と走り書きでメモをしておく。
「よし、見つかる前に帰ろう…」
メモを大切にポケットへしまいテニスコートから逃げるように俺は去る。よし、今からこれを実践してみるか。
「行ったようじゃのう」
「あいつ絶対バドミントンラケットってメモしてったよ」
「え、なに」
「ブンちゃんは知らなくていいぜよ」
「さー練習するかー」
「は?え!?」
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