丸井+仁王


「仁王くん仁王くん。赤ペン貸して」
「やだ。僕今使ってるもん」
「さっきまで寝てただろ」

やばい。昨日出来なかった宿題今の内に終わらせようとやっていたけど先ほど運悪く赤ペンは息を引き取った。丸つけして提出なのにどうしよう。周りを見渡せば隣で睡眠をとってる仁王が目につく。どうせ赤ペンなんか使ってないんだろうし借りようと声をかけたら意外にもすぐに返事は返ってきた。

「宿題出来ない」
「宿題は家でするものです」
「授業中寝てるやつに言われたくない」
「……ぐー」

わざとらしい寝息を立てる仁王へノートの切れ端を丸めたミニブン太砲を投げる。いつもより堅く丸めてやった。

「痛い」
「赤ペン」
「分かった分かった、はいブン太君」
「さんきゅー」

なんだかんだ言っても貸してくれるのはやっぱり長い付き合いだからなのか。再び腕に顔を埋めた仁王を見てちょっとくすぐったくなる。この様子なら宿題も終わりそう。なのに。


「お前の赤ペンもご臨終してんじゃねーか」


俺よりインクの薄い赤が出てきた。



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