赤也+幸村+仁王
「なぁ赤也、お前さん巨乳と貧乳どっちがいい?」
練習の休憩時間、仁王先輩が額に汗を滲ませながらテニスボール片手に聞いてきた。
「はぁ?いきなり何を」
「俺は絶対巨乳じゃな。あのでかさがたまらんのう」
何を想像しているのかテニスボールを片手でにぎにぎと握る仁王先輩はただの変態にしか見えない。不快だと眉を寄せても、その反応が楽しいのか話を続けてくる。
「あの体操服で揺れる乳がまたいい」
「…………」
「赤也はつまらんな。幸村はどっち?」
「え、何が?」
ちょっと待て幸村部長巻き込むな。
「巨乳と貧乳どっち派?」
「手に収まるくらいの小さなサイズかな。欲を言えばB?」
「あー分かる」
「あ、分かる?」
うんうん と頷く二人に挟まれた俺は本当に可哀想だ。ああぁ真田副部長でいいから俺を助けて。
「でもかたいのはいやじゃ」
「確かに。こう二の腕の柔らかさだよね。ふにって効果音がつくくらいの」
「それで巨乳だったらもう」
「それでBくらいだったらもう」
「「最高」」
今の台詞、お前らのファンに聞かせてやりたいわちくしょう。「幸村くんって清純派だとあたし思うの」と前に確か俺の大好きな先輩が言ってた気がする。乳の話で盛り上がってるこの姿のどこが清純。
「赤也って貧乳が好きそうだよね」
「はぁ!?」
「ちっさいのからおっきいのにするのがいいみたいな?」
「そうそう。俺が揉んで大きくしてやるーって言うんだよ」
「赤也も中々の変態じゃな」
お前らの頭の中で俺ってそんなキャラなの?まじで?
「違います。もうほんと練習始めましょうよ!」
「あ、まさか図星?」
「ほら赤也素直になりんしゃい。貧乳が好きだ!って」
仁王先輩は肩に手をまわしてきて、その後ろでは幸村部長が「ひーんにゅう!ひーんにゅう!」とリズムよく手拍子を加えながら言ってくる。率直に言わせてもらうけど、正直鬱陶しい。
「だあああ!俺は貧乳より美乳派です!!」
「うっわ、赤也いきなり何言い出すんじゃ」
「部活中にそんな大声で乳の話しないでよ」
発情するのはメスの前だけにしろ、と仁王先輩に言われ周りからは非難めいた視線。
え、なにこれ。
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