「寝たー?」
「幸村くん…、三秒単位でそれ聞くのやめようぜぃ」
「だって寝たら明日には帰るんだよ?こんなゆっくりした時間ってあんまないから」
「ぐー」
「おい誰か仁王叩き潰せ」
「ぐえ!」

まったく、せっかく俺がいいこと言ったってのに寝るなよ。

「仁王おはよー」
「……今、何時?」
「夜の2時」
「おやすみなさい」
「にーおーうー」
「ちょっとほんと勘弁して。仁王くん夜10時に寝ないとお肌が」
「女子か」

仁王の掛布団を奪ってやれば猫みたいに小さくなる。可哀想だなーとか思いながらターゲットを変えてこっそり隣に移動して赤也の横腹をつつく。

「ひぃ!な、なな、」
「いい反応をありがとう」
「幸村部長!いきなり何するんスか!」

満足して赤也から離れて自分の布団テリトリーに戻ったら、ない。何がって、掛布団が。

「あったかいぜよ」
「仁王返せ」
「ぷりっ」
「かーえーせーよー」

枕を仁王に投げつければ、いでっと声をあげる。「なにするんじゃ」と言いながら仁王が投げる枕を避ければ俺の後ろにいた赤也に直撃。

「なにするんスか!」
「枕投げ大会だよ赤也。一人HPは20ね」
「枕投げ?俺も混ぜて!」
「ブン太はもう参加済みだよ、っと!」

さて、最後の行事だ。



結局夜遅くまで枕投げをして、見事に皆の目下にはクマが出来た。気だるげに荷物をまとめて帰りの電車を待つ。
その時、俺の携帯が鳴った。

「あ…、やば」

表示される名前は真田弦一郎。
そこで、やっと気付く。
俺は大変な事を忘れていた。


「どうしたんじゃ幸村」

「…………真田達に旅行行ってるって伝えるの忘れてた」


ぴしり と全員が固まったと同時に、全員の携帯がけたたましく音を鳴らしだした。



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