「何が楽しくて海を目の前に焼きそばなんか食べなきゃならないんすかー」
「仕方ねぇだろぃ。海があるなんて聞いてなかったんだからよ」
「何それ遠回りに俺のせいって言いたいの?」
「かき氷のいちごのシロップ多めにしようかのう」

ブンちゃんのおはようコールで始まった一泊二日旅行。宿泊先に着いた後、赤也が海を見たいと言ったが、水着も何も持っていない俺たちはすることがなかったので、近くにある海の家にて遅めの昼食を食べる。しかし、はやくも俺らの顔には疲労が見え隠れしていた。きりっ。

「きりっ、じゃねぇよ。カッコよく言ってても仁王のせいでもう昼過ぎだぜ」
「俺のせいじゃない。ブンちゃんが教えてくれんかったからのう」
「俺もかき氷食べようかな」
「海に入りてー」

はいよっ!といきのいい声と共に渡されたピンク色の氷を磨り潰したやつ。うんかき氷だけど。うるさいブンちゃんを放っておいて幸村の隣に座ればおいしい?と訪ねてくる。

「あーんしてあげよう」
「やめろ気持ち悪い」
「うん俺も嫌じゃ」
「それに俺はブルーハワイ派だ」

あんな青色よく食べれるのう。もしかしてブルーハワイ食べ過ぎて髪の毛そんな色になったとか。そんな事考えながら何杯目かのいちごかき氷を口に入れたら、キた。

「あああああああぁっ!」
「え、ちょ、なに?」
「頭が痛い…」
「ビックリさせんなよ」

キーン キーン。
まるで頭に釘を打たれたような痛み。冷めた目で俺を見とるおまんらには分からんかもしれんけど頭爆発しそうな勢い。あ、俺ここで死ぬんかのう。最後に、また、テニスがしたかっ

「あ、おさまった」
「ねぇ、仁王ってかき氷食べるといつもそんな動きをするの?」
「先輩ドン引きっすわー」
「俺どんな動きしてた?」
「頭抱えて叫びながら回転してたぜ」
「え、俺気持ち悪い」



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