カラン カラン カラン

「いっとうしょぉおおおう」
「え?」

この金色の玉には何かいいものが貰えるらしい。今日の俺はついてる。


人組バカンス(笑)



少し暑いこの季節。商店街に私用があったため足を運び、目的の物を購入すれば見知った店員が渡してきた紙。聞いてみれば、ここの近くで抽選大会をしてるらしい。一回無料!と印刷された紙を帰り道にある会場で係員に渡せばベタなビンゴのあれが出てきた。隣の机ではポケットティッシュを大量に貰ってもなお、挑戦している主婦がいる。まぁこーいうのは大体ティッシュだよね。一等の旅行なんてそんな馬鹿な。なんて思ってたんだけど。

「当たっちゃった」
「部長すっげぇええ」
「幸村くん運あるね」

少し胸を張って言ったら意外とオーバーな反応を返す赤也と感心しているブン太。自慢したいんじゃなくてね、本題は。

「四人行けるらしいんだ」
「じゃあ身内と行くんすか?」
「ううん、家族みんなお友達と行って来なさいって言ってたから、ってちょっとなんで帰ろうとするの」
「嫌な予感しかしないからだぃ」

さすがブン太、俺が言いたい事分かってるの。

「ブン太と赤也参加ね」
「やっぱりね!」
「ちょ、俺はいいっすよ!」
「来週の土曜に駅前で」

もう四人の名前で予約もしちゃったしね。二人は少しの間喚いていたが、無駄だと感じたのか大人しくなった。ていうかそんなに嫌なのかよ。

「え、でも幸村くん。四人ってあと一人は――」

「ここらへんにあるはずじゃき、なくすなんてありえんぜよ」

計算通りいい時間帯に来てくれたね、仁王。そこでブン太はまさかと冷や汗をながす。まぁそのまさかだけど。

「仁王〜、これお前の鍵?」
「あ、あったあった。助かったぜよ」
「いやいやいいよ。こっちもこれで集まったし」

先ほど仁王の鞄から取っておいた鍵を渡して赤也とブン太を見れば、仁王を哀れんだ目で見ていた。仁王はまだ分かってないみたいだけど二人がなんとか言ってくれるだろう。来週が楽しみだ。



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