ギュッてしたい






「江ちゃーん、おはよー」



朝のあいさつなのか教室に入ってきた途端、名前ちゃんは江ちゃんにギュッと抱きついた


いつも僕のことかわいいって言ってくれるけど、名前ちゃんの方がかわいいよ



「おはよう、名前ちゃん!」



いいなー


僕も名前ちゃんギュッてしたい


女の子同士だったら抱きつくのとか普通なのかな


僕もはるちゃんに抱きついたことあるし


それとも友達だったらしてもいいのかな


それなら僕も名前ちゃんの友達だからいいってことだよね!


でも僕としてはそろそろ名前ちゃんの彼氏になりたいところなんだけどなー、なんて


名前ちゃんあんまり僕を男として見てくれてないっていうか、


僕だって男子高校生なのに…





名前ちゃんが自分の席に向かったのを見て僕は近づいた



「名前ちゃん、おっはよー」



後ろからギュッと抱きついて言ってみる



「渚!おはよう!」



特に動じた様子はないけど違和感は持ったらしい



「珍しいね抱きついてくるなんて」


「そーかな?」



ほら、背だって僕の方が高いし名前ちゃん細いのに柔らかいから抱き心地いいしシャンプーのいい香りだってするし


腕に力を込めてみる



「な、渚?」



少しだけ焦ったような声で名前ちゃんは僕の名前を呼んだ


かわいい


君の耳元に口を寄せる



「絶対、離さないから」



低い声でそう囁けば身体を強ばらせて耳まで真っ赤に染める君


その顔は反則だよ名前ちゃん


すっごくかわいいから


ひとまず僕は満足して腕を緩めた


これできっと名前ちゃん僕のこと男として意識してくれるよね!



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