ちょうど缶コーヒーが空になったとき

「おねーさん」

今度は知らない男に声をかけられた

「平和島静雄と知り合いなの?」

もしかして見られてた?
男の後ろにはさらにふたりの男が控えていて彼らは3人組のようだった

「えっと、まあ」

そう、なのかな?
さっき初めて話したけど、

「おねーさん今、暇だよね?俺らと来ない?」

え、なんかすごく適当で強引な感じだけど絡まれた!
めんどくさい!

「いえ、人を待ってるので」

折原さん早く戻ってきてください

「たぶんそいつ来ないよ!代わりに俺らと遊ぼーぜ」

グイッと腕を掴まれ、立ち上がる形となってしまう
さすがにやばいと思った

「ちょっ…」

瞬間、視界を黒が遮る

「だれだよお前っ…」

「俺のに触らないでもらえるかな」

すぐに男の手は私を離した

「お、り…はら、さん…」

折原さんは男の腕を捻り上げ、隠しナイフを突きつける
それだけで怯えて彼らは逃げ出していった
緊張が解けてほっと安堵する

「名前、」

こちらに向き直った折原さんにやさしく手を引かれた
そのまま私の体は彼の胸へダイブ
細いのに、しっかり抱きとめられた感触
やっぱり男の人なのだと思わされる

「折原さん遅いです」

べ、別にときめいたりなんかしてないです
待ち人来たる
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