ドキッとした

御幸先輩って鋭い

思い浮かぶのはあの日の小湊くん

思い返すたびに記憶の中の彼がなんだかオトナの男へと変わっていっている気がして、自分が恥ずかしくなる

「反応わかりやすーい」

能天気な声で我に返る

「え、いや、ちがうんです、これは、えっと…」

「男になにかいわれたんでしょ?あ、それともなにかされた?」

なんてニヤニヤ笑いながらきいてくる

「先輩っ!後輩いぢめないでください!」

完全に否定できない自分の性格を恨んだ

しかも全然うまく誤魔化せていない

「名前ちゃんかわいー」

けれど、その直後眼鏡の奥で細められた御幸先輩の目は笑っていなかった



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