ああもうやる気失せたから次もサボろうかな

ふらっと立ち上がると小湊くんも立ち上がって正面から腕を掴んで私を押しとどめる

「小湊くん?」

小柄な小湊くんだけれど、やっぱり女の私よりは背が高いし男らしい手をしている

そのことが私は女で小湊くんは男ということを意識させる

ドキドキと早鐘を打ちはじめる心臓は思い通りにならない

「名前」

ゆっくりと顔が近づいてくる

小湊くんの形のいい唇が降りてくる

チャイムが鳴った

え、キスするの?え、なんで?え、こんなところで?え、え、待って

恥ずかしくて思わず目を瞑った

あ、小湊くんのにおいがする

けれど、唇にはなにも触れなくて、耳元に吐息を感じた

「だめだよ、サボりは」

そんなこと囁かれたら「…はい」って言うしかないじゃん

「キス、してほしかった?」

「なっ…!」

ああ今、絶対顔赤い

見られたくなくて机に突っ伏した

しかし、このとき春市も名前の反応に顔を赤くしていたとか…



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