そう告げたら名前は口元に手の甲を押し当てて照れているから脈なしではないはず

「なんで、なんでみんなそういうことさらっと言えちゃうの」

強がってるけど恥ずかしがってるのバレバレだよ

「わ、私も亮介が…えっと、あの、す…す、す、き……だけど、」

そんな小さい声じゃきこえないって
まあ今は許してやるけど

「たぶん私は春市を傷つけた
だから自分だけ幸せな思いをするなんてことできない……」
「なに言ってんの、お前って本当にバカ?」
「ばっ!?」

やっと顔上げたか

「あいつをだれだと思ってんの、俺の弟だろ?好きな人の幸せを心から願えるやつだよ、春市は」

「…そ、そんなこと私だって知ってるし」

生意気だよ
クシャっと頭を撫でてやる

「亮介ありがとう」

お前はずっと俺の傍でそうやって笑っていてくれればいいんだよ

「じゃあみんなに報告に行こうか」

逃げないように手首を捕まえる

「何の!?」
「俺たちこの度付き合うことになりましたって」
「えええ!!!」

とか言いつつも歩き出せば自然と指を絡めて手を繋ぐことは許されていて

「牽制、牽制」



この後、亮介の牽制は成功したらしい



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