今日は似ている、ちょうど一年くらい前のあの日に
そんな気がした
そう思うとなんだか緊張した
でもいつものように夕飯の支度をする
テーブルに並べ終えたところで亮介がリビングに出てきた

「お風呂、お先」
「うん、ごはんできたよ」

何事もなく時間が過ぎていく
気のせいだったかな?
やっぱり亮介といると居心地が良い

「じゃあ私、お風呂入ってくる」
「あ、あのさ、」
「ん?」

私を引き止めた亮介は、彼にしてはめずらしく言葉を詰まらせている

「あんまり詮索するつもりはないから言いたくないなら答えなくていいけど…名前は春市のこと好きなの?」

「え…」

なんでそんなこと…

「春市も、亮介も、私の大事な幼なじみだよ」

それはずっと変わらない



今まで気まずくなるということはなく、やっぱり俺たちは普通に幼なじみだった
けれど、今でもときどき家に泊めてくれる名前が俺のことをどう思っているのかはわからない
好きと幼なじみの境目はどこにあるのか
もう新学期が始まって、春市は一年に俺と名前も進級していた
俺にとっては今年が高校生活最後の一年
悔いは、残したくない



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