いつも3人一緒だった
俺が青道に行くと言ったとき名前は、じゃあ私も青道だねーなんてのんきなことを言っていたし、春市も俺を追ってくるであろうことは読めた
そして実際また3人一緒になった
けれど離れている間に想いは募り、俺はもうアイツと幼なじみというだけの関係は嫌だった
その先の関係を望んだ
好きだから
初めて名前を家に送ったとき、ついでに泊めてもらった
会わなかった一年の間に春市を好きになったかもしれないし、他に好きな男ができたかもしれない…
そんなことをぼんやりと思っていた
夕飯を済ませて風呂から上がってきた名前をみたら、欲が出た
自分を抑え切れなかった
抱きしめるとシャンプーのにおいがした

「えっ?亮介?」

なぜ抱きしめられているのかわからないというような声だった
一度離れて上を向かせ、親指で名前の唇をなぞった
頬を少し赤くして、大きな目を見開いて驚く顔はかわいかった
でも顔を近づけたら必死に止められた

「待って、亮介!だめだよ!」

拒まれたのは初めてかもしれない

「俺のこと、きらい?」
「ちがうよ!そうじゃなくて…っ」

ああ、俺は間違ったのかな
こんな気まずい空気どうすればいいんだろう

「やっぱり今日は帰るよ」
「え」

玄関に向かう
この場から逃げたいと思った
自分が嫌だった

「待って!行かないで」
「え?」

意外にも名前に引き止められた

「いやだ、気まずくなるのは

亮介とはずっと仲良しでいたいよ」

俺は焦っていたのかな
まだこっちに来たばかりの名前の気持ちを考えていなかった
頭をポンポンと撫でた
以前名前が嬉しそうに笑っていたのをふと思い出したから

「ごめん、わがまま言って」

むしろその言葉に救われた自分がいる

「いや、泊めてくれてありがとう」

じゃあ、ゆっくり攻めれば俺にもまだチャンスはあるだろうか…



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