「苗字さん!」
「弟くん?」
え?なんでここに小湊弟が…
「小湊くん!?なんで、」
でも、名前ちゃんの様子でわかった
わかってしまった
「名前さんが戻ってくるの遅かったから」
そうか、弟くんには敵わねぇな
「だからって屋上まで来なくても…」
あの亮さんの弟だからな
「大事な話もあったしね」
「なに?」
さっと手を取り、弟くんは名前ちゃんを自分のほうへ引き寄せた
「御幸先輩」
「ん?」
「お先に失礼します」
そのまま名前ちゃんを引っ張り屋上から出ていく
「え、ちょっと、小湊くんっ…」
引っ張られながらも俺にペコリと一礼して去っていった名前ちゃん
ああ、あれはもしかして弟くんの嫉妬かな
ま、俺は君と友達になれて良かったよ