名前ちゃんがみているのは俺じゃない別の男

俺をみていないことくらいわかる

それでも、フラれるとわかっていてもどうしても伝えてしまいたいほどの想いだった


「えっと、一応断っておこうと思ったので…」


たしかに俺はモテるほうだと思う

けど、好きな人に振り向いてもらえないことほど切ないことってないんじゃねーの?


「名前ちゃん」


「はい?」


「俺、君が好き」


「…え?」


あ、どんどん顔真っ赤になってく

名前ちゃんかわいい


「あの…えっと、」


必死に紡ぎ出されようとするその答えを俺はわかっているつもりだ

優しく頭を撫でる


「俺が伝えたかっただけだから」


これくらい許されるよな


「…あ、あの、友達じゃだめですか」


……驚いた

そういってもらえるとは思ってなかったから


「ありがとう」


ほんと、優しい子だな


「名前ちゃん、好きなやついるんだろ?」


赤い顔のまま少し悩む様子をみせたが、しっかりと声に出してくれた


「はい…私たぶん好きな人ができました」


やっぱり君には笑顔が似合ってる



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