ろく。

※山→土→沖前提土山


ああ、厭な気分だ。
こんなに想いが通じないセックスがあるとは思わなかった。


「ねえ、土方さん」

「あ?」


隣で煙草を吸う副長は腹立たしいほど男前だ。まるで、芸術作品のような。
苦笑しながら、相手の上に馬乗りになる。それから、首に手をかけた。僅かに力をこめる。苦しくはないくらい。跡つくかな?ついてしまえばいい。俺のものにはどうせならない。


「誰を見てますか?」

「山崎、てめえ何して」

「俺?違うでしょう。当ててあげましょうか」


俺が気づいてないとでも思ってるのだろうか。いや、そんなことはないだろう。賢いこの男のことだから、全部知ってるはずだ。
冷たいシーツに足を置いて、暖かい首にありったけの力を、こめようとした。できないけど。


「俺ァ、沖田さんじゃないんですよ?」

「知ってる」

「あと1cm足りませんし、髪の毛だって全然違うし」

「そうだな」

「こんなの、ただの八つ当たりでしょう」


沖田さんが自分のものにならないからってあんまりだ。
首にかけてた手を顔に当てて、せめて涙が溢れないようにした。

副長は、黙って煙草を吸ってただけだった。


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寝タバコは危険なのでやめましょう。