よん。

「近藤さん、山崎見てねえか」
「ああ、ザキならさっき、商店街に行ったぞ」
「はあ?」
「みんなにプレゼント配るんだと。聞いてないのか?」
「…あ、ああ。まあな(どういうことだ?全く知らなかったぞコンチクショー)」
「しばらく帰ってこないだろうし、トシもちょっと休憩いれたらどうだ?」
「いや、他の仕事やらなきゃなんねえ。…クリスマスなんざ、ただの平日とかわんねえしな」
「トシ…」
「邪魔してすまねえな。宴会やるんだろ?楽しみにしてる」
「っ、トシィィィ!!」
「うっ、だ抱きつくなよ近藤さん!!暑苦しっ」





「メリークリスマス!!プレゼントの刀手入れセットは一人三つまでですよー」
「へえ、ザキにしちゃあなかなかやるじゃねェかィ」
「あ、沖田隊長。布にしろクリームにしろすぐなくなっちまいますからねえ。色気もムードもへったくれもねえですが、役立つだけいいかと思いまして」
「にしてもこの量…隊士全員分×3だろィ?おめえもよくやるよな」
「この時代帯刀してる人の方が少ないですからね。在庫処分しちまおうとしてるとこ、安く譲ってもらったんです。クリスマスプレゼントなんて建前で、配っても余るほどあんですよ」
「ふぅん。じゃあ、5つくれ」
「はいよ。良いクリスマスを」
「どーも」







「山崎、この案件なんだけどよ。…って、なんだこの段ボール箱の山は」
「副長、クリスマスプレゼントなんです。刀手入れセットなんですが良ければ」
「お前それこの前の潜入先からもらったやつだろ」
「バレちまいましたか。持って帰ってくんの大変だったんすよ」
「昼間に商店街往復するくらいにか」
「せっかくの非番ですし」
「はあ…。まあ、いい。俺にも寄越せ」
「はいよ。…これと、あとこれも」
「ん…?なんだこのカラフルな箱は」
「まあまあ。あとで開けてみて下さいよ」
「そうか?ありがたくもらっといてやらァ」
「(もらわれたァァァ!!よっしゃあああ!!!!)」








「これで終わり…っと。さすがクリスマス、大した事件はなかったな」
「(そういえば、山崎からのプレゼント…俺の方は用意してなかったんだけどな)」
「(しっかし、なんだこのセンスの欠片も感じない箱は。…ん、開いたか)」
「え」
「(ハンドクリーム?リップクリーム?あとは…石鹸か)」
「……ぶはっ。くくっ…アイツどんだけ実用的なもんを…あははっ」
「(捨てられないように使ってもらえるように考えたのバレバレすぎる)」
「(自分がもらったら大切にするくせによ。……まあ、)」
「(とりあえず、お礼も兼ねてどっか連れてってやるか)」

「山崎っ!!出掛けるぞー!!」



Happy Merry Christmas!!






.
遅れましたが、クリスマス記念。