▼ は組と言付け-03-
打ちひしがれる先生方2人を余所には組の子達は相変わらず騒いでいる。
「そうだ蓮夜さん!このあと一緒にお昼食べに行きましょうよ!」
「本当だ!そーしましょうよ!」
「ちょっと待って、みんな。蓮夜さんだってこのあと用事があるかも知れないだろ?それに忍務明けで疲れてらっしゃるかもしれないし…。」
わいわい盛り上がる皆に冷静にストップをかけたのはやっぱり学級委員長の庄左ヱ門だ。そんなに俺のことを思ってくれてるなんて。お兄ちゃん嬉しいよ。
『そんな気にしなくてもいいよ。今日はお休みも貰ってることだし、1人寂しく食べるなら皆で食べた方が楽しい。』
庄左ヱ門の頭をわしゃわしゃと撫でながから笑う。それに皆と一緒にいれば疲れも吹き飛ぶさ。なんてったって君たちは俺の癒しだからね。
『先生方もいかがです?』
「そうだな。」
「一緒に行こうか。」
楽しそうに笑う2人に俺は嬉しくなった。わー、とはしゃぎながら俺の手を引くは組の子達と共に食堂を目指す。
「おばちゃん!お腹減ったよ〜!」
「今日の定食は何ですかー?」
食堂に入れば今まで以上に騒ぎだす彼らに俺も先生たちも苦笑いを溢した。
『こらこら、気持ちはわかるけどちょっとは落ち着きな。』
「あら蓮夜くん、帰ってきたのねえ。おかえり!」
は組と俺の声に反応した食堂のおばちゃんが調理場からひょっこりと顔を出して笑顔で出迎えてくれる。相変わらず学園のお母さんだなあ。出てるオーラとか包容力が他人と違うし、それにご飯も凄く美味しいし。もう大好き、食堂のおばちゃん。
「はい、蓮夜くん。忍務お疲れ様。しっかり食べて疲れをとってね。」
渡された定食をもって席につく。両隣には山田先生と土井先生。目の前には、は組のみんな。
『「「いただきます!」」』
こんな日常が幸せです。
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