▼ お勉強会-03-
「蓮夜さーん、みんな連れてきましたよ!」
手をぶんぶん振りながらこっちに走ってくるきり丸の後ろにはは組のよい子達全員がいた。しかし、みんなやる気があまり無さそうだ。
「勉強するんですかぁ?」
「えー、僕遊びたいです。」
「僕は勉強よりもお菓子が食べたいですぅ。」
まあ、そりゃそうか。この年頃の子達はみんな勉強よりも遊びが優先だからな。い組の子達でも外でよく遊んでるぐらいだしね。
『そう言うなよ。庄在ヱ門から聞いたぞ。みんな宿題出てるんだろ。終わったのか?』
すると、ほとんどの子の肩がぎくりと震えた。なるほど、庄左ヱ門の言った通りだ。全員忘れてたな。
『わからない所があれば俺が教えてあげるから、な?』
「「「……じゃあお願いしまーす!」」」
仲良く俺を囲んで座った皆は忍たまの友を開けた。うん、良い子だ。
「うーん、ここわかんないです!」
『ああ、ここはなーーー、』
「蓮夜さん、これは?」
『これはこうやって。』
「わああ、なるほど!」
「じゃあ、これはこうですか?」
『そうそう、それからここを応用する。』
教えれば素直に聞いて問題をどんどん解いていく。しかもいつの間にか皆は宿題以外の問題まで解き始めている。
「は組はやれば出来る子なんだ。」
この前土井先生が言っていた事を思い出し、全くもってその通りだと改めて感じた。
『よし!みんな宿題の範囲も終わったようだし、今日はここまでにしようか。』
「「「はーい!!」」」
元気よく返事をするよい子達に俺は頬が緩んだ。
『今からみんなで遊ぶか?』
「それなら、鬼ごっこがしたいです!」
「うん、鬼ごっこがいいでーす」
「やりたいです!」
『じゃあ、俺が鬼になろう。10秒数えるまでに逃げろよ?』
手を挙げた団蔵に続いて、みんなも口々に声を上げた。そして、数を数え始めると皆は、わああぁあとはしゃぎながら逃げ出した。たまには先生方みたいに教鞭をとるのも悪くない。
ーーー翌日。
「あいつらが宿題をちゃんとやって来た!」と土井先生に嬉し泣きされたのはまた別の話。
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