雲外蒼天-本編- | ナノ


▼ お勉強会-02-


「あれ、庄在ヱ門と蓮夜さん。2人で何してるんっすか?」

忍たまの友を庄左ヱ門と2人仲良く見ながら俺が教鞭を取っていたところを声をかけられた。顔をあげればきり丸がこっちを見て不思議そうな顔をしていた。

「あれ?1人なの?きり丸。」
「うん。今まで委員会だったんだ。で何やってるんだ?」

こっちに来てきり丸が訪ねると、庄在ヱ門が忍たまの友を見せながら答えた。

「蓮夜さんに今、勉強を教えて貰ってるんだ!」
「うげぇー、休み時間まで勉強なんて、よくやるな庄左ヱ門。」
『きり丸もそんなこと言ってないで、勉強したらどうだ?』
「もー。蓮夜さんまで土井先生みたいなこと言わないで下さいよ。」

つんっと口を尖らしてそっぽを向くきり丸に俺は苦笑いを溢す。本当に苦労してるな土井先生も。しょうがない。

『よし、きり丸勉強を教えて"あげる"から教科書持ってきな。』

あげる、と言う部分だけ強調すればきり丸は顔色を変えて俺に迫ってきた。よしよし、食いついた。あとは釣り上げるだけだな。ふふ、とほくそ笑んだ俺にきり丸は気づかない。

「えええ!"くれる"んですか!?』
『ああ。教えて"あげる"よ。もちろんタダでな。ついでに、は組の子達みんな呼んできて?一緒に勉強した方が楽しいだろ?』
「わっかりましたああぁぁあ!」

ビュン、と効果音がつきそうな勢いで走り去ったきり丸を見送れば、成り行きを見ていた庄在ヱ門が口を開いた。

「蓮夜さん、きり丸の扱い方ご存知だったんですね。」
『まあな。ああでも言わないときり丸は勉強しなだろ?土井先生の神経性胃炎も悪化する一方だし。』

くすりと笑えば庄在ヱ門も一緒になって笑った。


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