雲外蒼天-本編- | ナノ


▼ 弱点を逆転-02-


タソガレドキ軍の鉄砲隊の武器等を奪い積み上げていく。大漁の戦利品にきり丸は目を小銭にして心底嬉しそうに踊っていた。あらま、可愛いことで。
鉄砲隊の彼らはというと、敵陣の中で丸腰でかなり怯えきっている。まあ、目の前にいるのが長次だからと言うのも若干否めない気もするけれどね。

「我々は捕虜は取らない。ふはははは。」

長次特有の笑顔で、更に鉄砲隊の彼らの顔が強ばった。泣き出しそうになっている人もいるぐらいに。

「ま、まさか……殺……っ」
「いえ、ご自由にお帰り下さい。」

しかし、きり丸の一言で彼らはずでんっと転けてしまった。まあ、そりゃあそうだろう。普通は敵に捕まってしまえば捕虜か死か、どちらかだろうから。

「怪我してる人はあちらで手当てしますんで遠慮無くどうぞー。あ!!でも保険はきかないんでそこんとこよろしくー!」

おい、何言ってんだきり丸。また彼らがずっこけてしまったじゃないか。ちゃっかりしてると言うか、便乗するのが上手いと言うか。まあでも、乱太郎から「金はいらないから」と訂正を入れられて少し口を尖らせていた。
そんな学園側のやり取りに、タソガレドキの鉄砲隊は「参った」と苦笑したのだった。

しかし、そろそろタソガレドキ軍は次の手を考えている頃だろうか。
泥で砲弾を止められていたことに気づいた奴らがとる行動はだいたい予想できる。その予想と言うのは、雑渡昆奈門が入れ知恵しなければの話だか。まあ、約束を守る人だと断言出来ないのは、互いに忍だからなのだろう。



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