▼ 学園の総力結集-04-
『んー、しんべヱを含めて後は6人か。』
喜三太救出チームを除けば園田村に到着していないのは彼らだけ。しんべヱは彼らのお手伝いに行ったそうな。文次郎はそのうち分かると言ってたけど、一体何に手こずっているのやら。
「蓮夜、生徒の現状はどうだ。」
『あとは、用具委員会と三之助.四郎兵衛だけですね。ああ、それから木下先生率いるドクタケへの作戦チームはまもなく出発します。』
後ろからの声に答えながら振り向く。そこにいたのは声の主の野村先生とその背中に隠れている松千代先生だった。
『………松千代先生、その状態で野村先生の後ろに隠れても意味は無いかと思うのですが…。』
苦笑を溢しながらそう言えば、野村先生も呆れたようにため息をついた。だってね、俺からは隠れてたとしても周りからは松千代先生の姿は丸見えなんだよな。
それにしても相変わらず松千代先生の気配は読めないな。今は忍たまの皆でも分かるように気配は消していないけれど、俺や教職員の方々が相手だと遠慮をしないのか、本気で姿を隠し気配を消してしまうのだ。恥ずかしがり屋だからなのかはわからないが、気配の消し方も隠れ方も誰よりも上手いから普段探すのに一苦労なんだよな。本当に松千代先生は凄い。
「しかし来てないのが用具委員会か…。たぶん"あれ"のせいだろうな。」
顎に手をそえながらぼそっと呟いた野村先生に俺は首を傾げた。
『"あれ"って何ですか?』
「臼砲ですよ。……あ〜、恥ずかしい///」
俺の問いに答えたのは意外なことに松千代先生だった。俺の顔を見て話したのはいいものの、またすぐ隠れてしまったけれど。それにしても、
『……臼砲かぁ。そりゃ大変だわ。』
あんな重いものを学園からこの園田村まで運ぶとは。用具委員会のみんなもお疲れだな。文次郎の言ってた、そのうちわかるって言うのは、そういう事だったのか。
『しかし随分と賑やかになりましたね。』
「ああ、学園の生徒が集まったからと言うのもあるが、1年は組が起きたから余計にな。」
ぽつりと溢した俺の言葉に野村先生が笑いながら返した。なるほど。たぶん文次郎が起こしにいったんだろうな。まあ、敵を迎え撃つのに準備をしなくちゃいけないからな。
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