雲外蒼天-本編- | ナノ


▼ 到着そして休息-03-


ずでんっと勢いよく転けるは組と雷蔵・三郎、そして土井先生。山田先生は予想がついていたのか頭に手を当てて、はぁと盛大なため息をついていらっしゃる。心中お察しします。

「冗談じゃないぜぇ!」
「そうだよっ!」

いち早く復活したきり丸が立ち上がり抗議の声をあげる。そして、しんべヱもそれに同意し立ち上がった。

「タダ働きなんて!!」
『そこかっ!』

おっと、つい突っ込んでしまった。だって何を言い出すのかと思いきや、まさかそんな所だと思わないだろうよ。

「ドケチにとって、タダ働きは命に関わる行為なんだぁぁあぁ〜!」

どばぁと涙やら何やらを出しながらきり丸は手潟さんに歩み寄る。みんなが呆れて苦笑する中、土井先生は慣れているのかきり丸の捕獲準備に入った。

「顔から出るもの全部出ておるのぉ。よしよし、バイト代を出そう。」

勢いよく土井先生はきり丸に飛び付くがそれをきり丸はヒラリとかわして目を小銭にさせた。ってかきり丸、こんなで場面で忍者しなくてもいいじゃないか。土井先生をかわすとか無駄に凄い。目を小銭にして輝くきり丸の背後に土井先生が次は鬼の形相で迫ってきた。

「あぁ〜ん、手潟様〜ぁ!命を懸けて戦いまぁす♪♪」
「きり丸っ!銭と命、どっちが大事だ!!」
「銭っ。」

まさかの即答にぱきん、と土井先生が固まった。うん、俺も硬直しかけた。やべっときり丸は慌てて口を手で押さえるがもう遅い。次の瞬間には土井先生がきり丸の口を両手でつねり伸ばしていた。

「この口かぁ!この口かぁ〜!!」
「この口が勝手にぃ〜い。ふぁい、この口が〜。」

部屋の中を走り回りながらも、きり丸は抵抗するが土井先生にすぐ捕まってしまっていた。まあ、今回はきり丸はの自業自得だわ。俺は止めません。土井先生に味方するよ。
ちらっと縁側から彼らを見るが、なかなか終わりそうになかった。



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