雲外蒼天-本編- | ナノ


▼ 到着そして休息-01-


白々と夜が明け始める。は組のみんな、特にしんべヱはぜえぜえとしんどそうに走っている。

『しんべヱ大丈夫かー。』
「ふぁ〜い。……な、なんとか頑張れます。」

その返事に俺は良い子だと頭を一撫でした。辺りに気を配りながら森を進めば、一気に視界が開けた。

「森を抜けたぞ、あと一息だ。」

山田先生の掛け声には組のみんなは少しテンションが上がったらしく、疲れた体に鞭打ってスピードをあげた。ラストスパートって感じだな。だが、しばらくたてばヘトヘトになっていて俺や上級生・先生方は歩けてしまうほどのスピードに落ちていく。まあ、仕方ないんだけどね。雷蔵ときり丸に背を押され走るしんべヱに土井先生が「もう少しだ」と声をかけた。

『ほら、到着だ!お疲れさまっ。』

園田村に疲労困憊で入っていくは組のみんなの頭を一人一人ぽんっと撫でる。すると疲れているからなのか、ふにゃんとした笑顔がみんなから返された。いやー、本当に愛らしい。タソガレドキと戦った疲れなんて吹っ飛んじゃうわ。と、先に村へ入っていた三郎が村の中からこちらに向かって走ってきた。

「乱太郎は無事だぞー!」

ふふ、そうか。ちゃんと無事にたどり着けていたんだね、良かった。

「じゃあ僕は乱太郎の足の様子を診てくるね。」
『捻挫してたんだよな。』

酷くなってなければ良いけど。でも伊作と別れる前に足首は固定してたみたいだし、そんなに心配せずとも大丈夫かな。

「あ、蓮夜の傷ももう一度手当てし直すから一緒に来てくれる?」

ちょうど痛み止めの効き目も薄れて、傷がじくじく痛みだしていたので俺は伊作の言葉に素直にこくりと頷いた。さっきの3人組のタソガレドキ忍者につけられたきり傷も軽く消毒して欲しいしね。



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